そもそも茅葺きの家は、なぜ減り続けているのでしょうか。
茅葺きは瓦葺きに比べると耐久性に乏しく、定期的な葺き替えが不可欠です。集落全体が茅葺きだったころは、住民総出で毎年1軒ずつ屋根を直すことができました。こうした互助の精神を「結い」といいます。
ところが1軒、また1軒と、家を新築したり、都会へ出て空き家になる家が増えるにつれ、「結い」は機能しなくなります。するとますます家を建て直したり、茅葺きのままトタンでカバーする家が増えていきます。こうして、全国で同時進行的に茅葺きの家が減っていったのです。